Synspectiveが開発・運用する “StriX” (ストリクス)衛星は、合成開口レーダー(SAR)技術を用いて、地表を高精度の分解能で観測するXバンドの小型SAR衛星です。
衛星の軌道と仕様
私たちの小型SAR衛星 “StriX” は、同クラスの衛星と比較してより広い範囲を低ノイズで観測することが可能です。”StriX” 衛星の初号機は2020年に軌道へ投入され、30機の衛星コンステレーション構築へむけて順次追加されています。
軌道高度500km以上で運用されている “StriX” 衛星は、太陽同期軌道や傾斜軌道を利用しています。衛星コンストレーションによって衛星の数が増えることで、観測頻度を高めることができます。
“StriX” は、ターゲットされた地表面へXバンド帯域のマイクロ波を照射します。反射して返ってきた信号を分析して対象物を観測することで、形状や、対象物の変化を検出することができます。合成開口レーダー(SAR)は、小さなアンテナでも、軌道上に仮想的なアンテナをいくつも並べることによって、大きなアンテナと同等の性能を獲得する「合成開口」技術を利用しています。
撮像モード
“StriX” 衛星にはStripmap(ストリップマップ)モード、Sliding Spotlight(スライディングスポットライト)モードとStaring Spotlight(ステアリングスポットライト)モードの3種類の撮像モードがあります。
Stripmap モード
Stripmapモードでは、アンテナビームの中心は、ほぼ一定のオフナディア角を保持して、衛星と連動し移動します。アンテナビームによって、地表面は電波で連続的に照らされ、衛星の軌道方向に連続して撮像されます 。この撮像モードでは、撮像幅及び撮像域(シーン)の長い画像を、スラントレンジ分解能 1.8m × スラントアジマス分解能 2.6mで撮像できます。
Stripmap モードの仕様
観測モード | Stripmap |
撮像幅[km] | 10〜30(ノミナル20) |
撮像域(シーン)の長さ[km] | 50〜70 |
NESZ[dB] | -21.7 * |
アジマスS/A[dB] | 13.2 * |
レンジS/A[dB] | 26.0 * |
スラントレンジ分解能[m] | 1.8 |
グランドレンジ分解能[m] | 3.6 |
アジマス分解能[m] | 2.6 |
*StriX衛星の中で最低値を記載
Sliding Spotlight モード
SAR画像のアジマス分解能は、電磁パルスの照射時間とドップラー帯域幅に比例します 。Sliding Spotlightモードでは、アンテナビームをStripmapモードより遅く走査することで、電磁パルスをより長い時間、地表の特定箇所に照射します 。これにより、Sliding SpotlightモードではStripmapモードよりも高解像度の画像を得ることができます 。Sliding Spotlightモードでは、スラントレンジ分解能0.5m×アジマス分解能0.9mで撮像できます。
Sliding Spotlight モードの仕様
観測モード | Sliding Spotlight1 |
撮像幅[km] | 10(ナノミル値) |
撮像域(シーン)の長さ[km] | 10 |
NESZ[dB] | -17.4 * |
アジマスS/A[dB] | 13.2 * |
レンジS/A[dB] | 23.5 * |
スラントレンジ分解能[m] | 0.5 |
グランドレンジ分解能[m] | 0.9 |
アジマス分解能[m] | 0.9 |
*StriX衛星の中で最低値を記載
Staring Spotlight モード
Staring Spotlightモードでは、Sliding Spotlightモードと同様に、地表の特定箇所に照射します 。ただし、Staring Spotlightモードは、より観測域を狭めて照射するモードです 。そのため、Sliding Spotlightモードより高解像度の画像を得ることができます。
Staring Spotlight モードの仕様
観測モード | Staring Spotlight1 | Staring Spotlight2 |
撮像幅[km] | 10(ナノミル値) | 10(ナノミル値) |
撮像域(シーン)の長さ[km] | 3 | 3 |
NESZ[dB] | -17.4 1,2 | -17.4 1,2 |
アジマスS/A[dB] | -20.2 1,2 | -20.2 1,2 |
レンジS/A[dB] | 23.5 1,2 | 23.5 1,2 |
スラントレンジ分解能[m] | 0.5 | 0.5 |
グランドレンジ分解能[m] | 0.9 1 | 0.9 1 |
アジマス分解能[m] | 0.5 | 0.25 |
2 StriX衛星の中で最低値を記載
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